4 May 2015

おはようございます。今日は引き続き世界のECトレンドを整理していきます。前回はすべての製品カテゴリーを含んだ全体の数字をトレースしましたが、今度は製品カテゴリー毎にブレークダウンして見ていきます。私は製品を買うときに、オンラインで購入するもの、物理店舗で購入するものを最近はなんとなく分けています。本は徒歩圏内に本屋が数店舗ありますが、ほぼAmazonで購入します。理由しては、中小規模の店舗なので欲しい本がない可能性がある、そこまで行くのが面倒(すぼらな私です)、Amazonだとスマホでぱっと買える、今日か明日には持ってきてくれる、安い中古品という選択肢もある。こんなところでしょうか。食料品とかコンタクトレンズ用品、シャンプーなどは近所のスーパーやドラッグストアで買います。パソコンなどの電化製品は価格が高いので、ヨドバシカメラ等に行って実物を手に取り感触をつかんだ後、ネットで安い店から買うなんてことをしています。仕事終わりに重い荷物を持って帰るにも疲れるので。。個人差はあるかと思いますが、みなさんもこのような振る舞いに心当たりは多少あろうかと思います。どの製品をオンラインで購入するのか?各国で異なる傾向や背景を探っていきたいと思います。
中国において90%の人が食料品をネットで購入。米国は最下位の26%にとどまる。
上記のチャートは経営コンサルティングファームのATカーニー社が今年発表したデータです。(出所:A.T.Kearney Connected Consumer Study)「過去3か月間に各製品カテゴリーをオンラインで購入した人の割合」を示しています。対象国から計10,000人からの回答データを基にしています。例えば、日本においてはPCやiPod等のエレクトロニクス製品(Electronics)を53%の人がオンラインで購入しているという見方になります。ゴールドは75%以上の人が、薄いオレンジは50%-75%の人が、赤は50%以下の人が、オンラインから購入していることを表しています。感覚的に分かり易く理解するために、日本といくつかの国を比較してみます。
日本 vs 米国:「米国はエレクトロニクス・チケット・ゲーム・音楽において、オンラインで購入した割合が日本より約30ポイント高い」
- 米国では83%の人がエレクトロニクス製品をオンラインで購入したのに対し、日本は53%。世界平均値は77%なので日本は低いです。
- チケットは米国74%に対して、日本は43%。筆者は過去米国に住んでいましたが、確かに米国では飛行機チケット等はオンラインでというのがデフォルトのように感じがします。日本は旅行代理店の店舗も比較的身近にありますし、米国に比べクレジットカードでの支払い割合も少ないのも起因しているかもしれません。
- 音楽/ゲームは米国74%に対して、日本は46%。米国の方がSpotifyのようなストリーミング配信やオンラインゲームが普及が進んでいるからでしょうか。オンラインゲームは日本でも世界的に見ても随分進んでいるので、音楽カテゴリーの差でしょうか。
- 似ている分野もあります。例えば白物家電、家具、日用品です。
日本 vs 中国:「中国は全ての製品カテゴリーでオンラインで購入した人の割合が日本よりも高い」
- 中国の欄をご覧いただくと、なんとゴールドのカテゴリーが13のうち10を占めます。世界的に見ても最もオンラインで購入する割合が高い国のひとつであると考えられます。
- 特に日本と差が大きいカテゴリーは、エレエクトロニクス・白物家電・美容用品・日用品で40ポイント程度離れています。
- 差が少ないのは家具ぐらいです。
- 差は多少ありますが、食料品は世界に見て、日本と中国は高い数値を出しています。
日本 vs ブラジル:「ブラジルはエレクトロニクス・白物家電において、オンラインで購入した割合が日本より約30ポイント高い」
- ブラジルは中国に次いで、電化製品をオンラインで購入する傾向が強いようです。
- 食料品は逆に日本がブラジルを約40ポイント上回っています。ブラジルは調査対象国で一番低い割合を示しています。
- スポーツ用品・美容用品・日用品・子供用品は両国ともに50%を切っています。
- 比較的に世界平均値に近いように思えます。
日本 vs 南アフリカ/ナイジェリア:「アフリア地域のEC普及率は全体的に低い」
- 南アフリカ/ナイジュリアともに赤カテゴリーが多く、ECの発展途上であると言えます。
- それでもエレクトクロニクス製品は両国ともに日本の数値を上回っています。日本は対象国で一番低い数値です。
- 南アフリカはアフリカ地域で最も経済成長が進展しつつある国ですので、数年でこの傾向は劇的に変わってくる可能性があります。
今日はここまでにします。製品ごと、国ごとにオンラインで購入する割合が大きく異なるという理解は越境EC・海外ECの戦略立案を行う上で主要な基礎データとなります。