29 Apr 2015

はじめまして。今日から「クロスボーダー eCommerce」というブログタイトルのもと、越境ECや海外ECにフォーカスしてブログを書いていきたいと思います。筆者は現役の海外ECコンサルタントをしております。グローバル市場に向けて日本製品をEコマースを活用して販売されたい日本企業のケース(In → Out :日本から海外へ)、反対に海外企業で日本へEコマースビジネスで市場参入されたいケース(Out → In:海外から日本へ)両者のサポートをしています。
昨今、越境ECに関する関心が日本企業において本格的に高まり始めているのを受けて、実に様々な業種・企業規模の企業より相談を受けています。この分野はマーケティング戦略でよく使われるプロダクトライフサイクルのフレームワークにおいて黎明期であり、かつ複雑な世界ですので、正しい情報やノウハウが日本にはほとんどない状況です。実際のプロジェクトに直面しながら、越境EC戦略の立案方法から実際に実現可能な方法へ落とし込み、適切なストア運営、売上向上施策を実行していくというコンサルティングをしている過程で様々なことを日々、私自身が学んでいます。よって、このブログは越境・海外ECコンサルタントしての私自身の備忘録として情報を整理をしていきながら、読者の皆さまにも少しでも役立つ情報を発信できればと考えています。これを使って何か商売をしようとは思っていません。読者層のイメージとしては、個人の方から起業家・中小・大手企業で越境EC・海外ECをやってみたいと思っている方、一部やっているけどやり方を変えたいと思っている方などが対象になろうかと思っています。普段はビジネスに没頭していますので、時間のある時に力を抜いて、ゆるく書いていきます。
さて話し変わりますが、Eコマースの市場規模は近年、爆発的な勢いで伸びています。日本のコンシューマ向けEコマース(B2C)市場規模は2015年現在約14.5兆円程度(出所:NRI)になります。さて、世界に目を向けるといかがでしょう? 2015年現在、米国eMarketer社のデータでは約191兆円程度と推測されており、さらにわずか3年で1.5倍の234兆円に達すると予想されています。これは日本の約13-14倍の大きさになります。日本のEC市場も伸びていきますが、成長率は減速していきます。そこで巨大な市場規模があるグローバルへ目を向ける日本の事業者が増えてきているわけです。
Eコマースのない世界では、海外のお客さんに製品を売るためには、2つの方法しかありませんでした。それは、①海外の現地法人を設立してビジネスを行う。②現地の販売代理店と契約する。のどちらかです。いづれも売上予測がほぼわからない状況で初期投資が高くかさみ、契約文化の頃なる日本国外では非常にリスキーで、結局はグローバルに拠点がある大手企業しか本格的な販売ができなかったわけです。しかし、ここ10年でEコマーステクノロジーが登場・進化を遂げ、海外販売に対応できるプラットフォーム・サービスも近年出てきています。Eコマースを活用すれば、中小企業、個人でも少ない初期投資・運用費用かつ現地法人も不要、販売代理店も経由せず、世界にいる最終消費者相手に直接製品を売ることができるわけです。従来、ディストリビューター(卸売業者)がいて、そのディストリビューター配下に複数の代理店・小売店を経由する間接流通が主流であった今までの商習慣に革命をもたらしはじめています。自社製品の良さをネットを通じて直接そして簡単に世界中に知れ渡らせることができ、日本国内では考えられもしなかった注文や売上が上げることが現実に増えています。
今日のところはここまでしたいと思います。今後、越境EC・海外ECをどう具体的に実現していくべきなのか、日本国内のECと違ってどういう点に留意すればよいのか、どうやって戦略を立てていったらいいのかなど、実務的なトピックスとグローバルなEコマース潮流等、木・森の両方の視点に立って、情報整理と分析をしていきます。今後とも末長くよろしくお願い申し上げます。